Excel(エクセル)の「データ」タブに配置されている『統合』ボタンって使ったことありますか?
この小さなボタン、目立たない割にすごく便利なんです!
表と表を統合するだけでなく、1つの表だけを使って見出しの重複をチェックしたり、別のブックのデータと統合することも可能です。ぜひ実践に取り入れてみて下さい。
この見出しで学習できること
- 表と表を統合して合計する
- 表と表を統合して合計する(リンクさせる)
- 見出しの重複チェックする
- 表と表の平均値を算出する
- 別のブックのデータと統合する
セルの結合とは全く違う機能だよ。使えてる人は稀かも。ぜひ使い方を覚えてね
『統合』機能とは?
『統合』機能は、異なるワークシートやブックのデータ同士を集計するに便利な機能です。
例えば、下の図のように、同じ集計コードを持つ2つの表を一つに纏めたい時は、『統合』ボタンを使えばものの数秒で完成してしまう便利ボタンです。
この「統合」機能は様々な集計が可能です。合計を自動で算出するだけでなく、個数や平均値、最大値なども集計することが出来る優れものです。
それらの機能を使って、「重複のチェック」なども行えます。
実践で間違いなく役立つ機能ですので、最後まで見てくれると嬉しいです。
この記事では2つの表を統合しますが、3つでも4つでも統合出来るので、ぜひ試してみてね
『統合』の使い方(実例1:合計)
この見出しでは『統合』を使って、それぞれ別のワークシートにある上の2つの表を1つに纏めます。
この2つの表の統合に関する特徴は、以下の4点です。
1.行の見出しは同じ
2.列の見出しが異なる
3.列の見出し数が異なる
4.列の見出しの並びも異なる
それでは、統合の手順を紹介します。
手順1.「統合」をクリック
使っていないワークシートに移動して、統合した表を表示したいセルをクリックします。次に「データ」タブの「統合」を選択します。
手順2.「統合元範囲」の⇧をクリック
「統合の設定」画面で、集計の方法は「合計」を選択してから、「統合元範囲」メニューの⇧ボタンを押します。
手順3.統合する1つ目の表を設定
統合する1つ目の表のシートを選択して、表の範囲をドラッグ&ドロップで選択します。選択し終えたら、⇩ボタンを押します。
手順4.「統合元範囲」の⇧をクリック
「統合元」メニューに1つ目の表が設定されたことが確認出来ます。続いて、2つ目の表を統合するために、「追加」をクリックした後に、「統合元範囲」メニューの⇧ボタンを押します。
手順5.統合する2つ目の表を設定
統合する2つ目の表のシートを選択して、表の範囲をドラッグ&ドロップで選択します。選択し終えたら、⇩ボタンを押します。
手順6.「統合の基準」を設定
「統合元範囲」メニューに2つ目の表が設定されたことが確認出来ます。
最後に統合の基準を設定します。行の見出しも列の見出しも統合したいので、「上端行」と「左端列」にチェックを入れて、「OK」で画面を閉じます。
手順7.「統合」が完了
2つの表が「統合」されて、同じ項目は「合計」されています。統合された表は「値で貼り付け」されていますが、数式でリンクされた貼り付け方法もあるので、下の見出しを参考にしてください。
色や罫線は統合されません。貼り付け元の表からコピーしてください。色と罫線を簡単にコピーする方法はこちらの記事を参考にしてください。
『統合』の使い方(実例2:合計その2)
この見出しでは『統合』を使って、それぞれ別のワークシートにある上の2つの表を1つに纏めます。
この2つの表の統合に関する特徴は、以下の4点です。
1.行の見出しが異なる
2.列の見出しが異なる
3.列の見出し数が異なる
4.列の見出しの並びも異なる
使っていないワークシートを選択してから、上の見出しと同様の手順で統合の設定を行います。
そうすると、下の図のように、行の見出しも列の見出しも異なる表が1つの表に統合することが出来ました。
『統合』の使い方(実例3:リンクあり)
『統合』された表が値貼り付けではなく、数式でリンクされた状態にすることも可能です。
「統合の設定」画面で「統合元のデータとリンクする」にチェック(✓)を入れてください。そうすると・・・
「グループ化」で行がたたまれた状態で表が統合されます。セルの数式バーを確認すると、「=SUM( D3:D4)」などの数式が挿入されています。
非表示のセルの数式を確認するために、「グループ化」の「2」のボタンをクリックしてみます。
そうすると、下の図のように、統合した「表1」シートのC4セルとリンクしていることが確認出来ます。もちろん、それ以外のセルもすべてリンクされています。
この「グループ化」機能を解除したい場合は、「データ」タブの「グループ解除」⇒「アウトラインのクリア」をクリックしてください。リンクされた数式は消えないのでご安心を。
『統合』の使い方(実例4:重複チェック)
「統合」の使い方を少し工夫するだけで、『表の見出しの重複』を一瞬でチェックすることが出来ます。
下の表は、行の見出しにも列の見出しにもそれぞれ重複データが存在しています。この表を『統合』を使って重複のチェックを行います。
「統合の設定」画面で以下のように設定します。
集計の方法は「個数」、統合に使用する表は重複チェックする表を1つだけ設定します。この設定で「OK」を押します。
下の図が統合された表になります。1つの表を使って個数を合計しているので、数値は「1」しか発生しないはずですが、「2」以上の数値が発生している場合は、列の見出しや行の見出しが重複しているということです。
この場合、行の見出し「売上高4月」と、列の見出し「A」「B」が重複していることが分かります。
この「統合」を使った重複チェック以外の重複データの確認方法は、以下の記事でも紹介しています。
『統合』の使い方(実例5:平均・最大値・最小値)
『統合』による集計は、「合計」だけでなく「平均値」や「最大値」や「最小値」も集計することが出来ます。
代表としてこの見出しでは、下の2つの表を統合して「平均値」を算出します。
「統合の設定」画面で集計方法を「平均」を選択し、対象の2つの表を追加します。
そうすると、下の図のように、2つの表の平均値が算出されます。
「統合」の集計方法は、下のように計11種類あります。「合計」「個数」がもっとも使われやすいと思いますが、状況に応じていろいろな集計を試してみて下さい。
『統合』の使い方(実例6:別ブックと合計)
「統合」は、複数のシートを集計するだけでなく、別ブックのデータを集計することも可能です。
上の図のように、「元データ1」ブックの「表1」シートのデータと、「元データ2」ブックの「表2」シートのデータを統合する方法を紹介します。
手順1.利用するExcelブックをすべて開く
貼り付け先のブックと「元データ1」ブックと「元データ2」ブックを開きます。
手順2.統合先のシートで「統合」を利用
統合した結果を表示するシートで「統合」を選択します。「統合の設定」画面で、集計の方法は「合計」を選択してから、「統合元範囲」メニューの⇧ボタンを押します。
手順3.統合する1つ目の表を設定
統合する1つ目のブックをタスクバーから選択して、表の範囲をドラッグ&ドロップで選択します。選択し終えたら、⇩ボタンを押します。
手順3.統合する2つ目の表を設定
「追加」ボタンから同様の手順で2つ目の表のデータも追加します。「統合の基準」にチェックを入れて、「OK」で画面を閉じます。
手順4.統合が完了
下の図のように、異なるExcelブックのデータが統合されます。