今回は、Excelのテキストボックスを使った座席表の作成方法を解説します。
この方法を利用すると、下の図のように教室の座席や円卓での座席など、自由にレイアウトを変更出来るので大変便利です。
また席順をランダムに決定する方法も合わせてご紹介しますので、ぜひ利用してみて下さい。
この記事で紹介する3つの座席表
座席表を作成する方法
レイアウトを自由に変更できる座席表を作成する時は、名簿とテキストボックスを数式でリンクさせるテクニックを利用します。
それでは座席表を作成する手順をご紹介します。
手順1.テキストボックスを選択
「挿入」タブ⇒「図」⇒「図形」から、テキストボックスをクリックします。
手順2 .テキストボックスを挿入
自動でマウスポインターの形が変わるので、任意の場所でドラッグして、テキストボックスを挿入します。テキストボックスの位置や大きさは後で変えることが出来るので、おおよそのサイズ感だけ合っていれば問題ありません。
手順3 .テキストボックスにセルの値を参照させる
テキストボックスの枠線をクリックして選択した後に、数式バーをクリックし、“=”を挿入した後にC3セルをクリックします。
「Enter」キーを押すと、C3セルの文字がテキストボックスに反映されます。
手順4 .テキストボックスの文字の配置を変更
氏名がテキストボックスの左上に配置されていて、枠線もグレーなので座席表に一見見えませんので、見栄えを調整します。
テキストボックスの枠線をクリックして選択した後に、「ホーム」タブの「上下中央揃え」ボタンと「中央揃え」ボタンをクリックし、文字をテキストボックスの中央に配置します。文字が左上の配置のままで良ければ、この作業は不要です。
手順5 .枠線の色や太さを調整
テキストボックスの枠線をクリックして選択した後に右クリックします。右クリックメニューが表示されますので、「図形の書式設定」をクリックします。
「図形の書式設定」画面が画面右端に表示されますので、「図形のオプション」⇒「塗りつぶしと線」⇒「線」から、線の色と線幅を調整します。
手順6 .テキストボックスのサイズを調整
テキストボックスの枠線をクリックして、枠線にカーソルを合わせてドラッグすることでテキストボックスのサイズを変えることが出来ます。好みのサイズに調整してください。
手順7 .テキストボックスをコピーして数式を変更
1つの座席が完成しましたので、2つ目以降の座席も作成します。テキストボックスをコピペし、数式バーの数式の参照先を次の氏名が入力されているセルに変更します。「=$C$3」⇒「=$C$4」
2つ目の座席が完成しますので、同様の手順で3つ目以降の座席を作成していきます。
手順8 .テキストボックスを配置を調整して座席表が完成
全ての座席のテキストボックスが完成したら、レイアウトを調整してテキストボックスの配置を調整します。
以上で座席表が完成しました。
名簿と座席表を異なるワークシートで作成する方法
さきほどは名簿と座席表を同じワークシートで作成しましたが、座席表を名簿と異なる別のワークシートで作成することも可能です。
テキストボックスを作成してから数式バーに数式を挿入する手順が少し異なるだけですので、以下の手順を参考に作成してみて下さい。
手順1.数式バーに”=”を挿入した後に、名簿シートをクリック
テキストボックスを選択(①)してから、数式バーをクリックして、”=”を挿入(➁)します。
次に、名簿が入力されているワークシートをクリック(③)します。
手順2.氏名が入力されたセルをクリック
座席を作成したい氏名が入力されたセルをクリックして、「Enter」キーを押します。
手順3.テキストボックスに氏名が表示
下の図のように、異なるワークシートに入力されていた氏名をテキストボックスに表示する(リンクさせる)ことが出来ました。
手順4.座席表を完成
テキストボックスをコピペして数式の参照セルを変更することで、名簿シートと異なるシートで座席表を作成することが出来ます。
円卓などの特殊な座席表を作成する方法
さきほどは長方形のテキストボックスという図形を使って座席表を作成しましたが、マルなどの異なる図形でもレイアウトを自由に変更できる座席表を作成することが出来ます。
この見出しでは円卓の座席表の作り方を紹介します。
手順1.「楕円」を選択
「挿入」タブ⇒「図」⇒「図形」から、「楕円」をクリックします。
手順2 .「楕円」を挿入
自動でマウスポインターの形が変わるので、任意の場所でドラッグして、楕円を挿入します。楕円の位置や大きさは後で変えることが出来るので、おおよそのサイズ感だけ合っていれば問題ありません。
手順3 .「楕円」にセルの値を参照させる
「楕円」の枠線をクリックして選択した後に、数式バーをクリックし、“=”を挿入した後にC3セルをクリックします。
「Enter」キーを押すと、C3セルの文字が図形に反映されます。
手順4 .楕円の文字の配置や余白を変更
氏名が図形の上に配置されていて、円卓の大きさに対して座席が大きすぎるので見栄えを調整します。
図形の枠線をクリックして選択した後に、「ホーム」タブの「上下中央揃え」ボタンと「中央揃え」ボタンをクリックし、文字を図形の中央に配置します。文字が左上の配置のままで良ければ、この作業は不要です。
また、円卓のサイズに合わせて座席を小さくすることで文字が図形からはみ出す場合は、図形の右クリックメニューから「図形の書式設定」をクリックし、「図形のオプション」⇒「サイズとプロパティ」⇒「テキストボックス」の「余白」メニューから上下、左右の余白幅を小さくします。それでも文字が入らない場合は、文字サイズ自体を小さくしましょう。
手順5 .残りの座席を作成して円卓の座席表を完成
2つ上の見出しで解説したテキストボックスの作成の手順5~手順8を作業を行い、残りの座席を作成すれば、下の図のようにレイアウトを自由に変更できる円卓の座席表が完成します。
ランダムな席順で座席表を作成する方法
さきほどは名簿から意識的に座席の配置を決定しましたが、Excel(エクセル)のRAND関数とRANK.EQ関数とVLOOKUP関数を組み合わせて使うことでランダム(無作為)に席順が決定する座席表を作成することが出来ます。
この見出しでは、RAND関数とRANK.EQ関数の使い方と、ランダム(無作為)に席順が決定する座席表の作成方法をご紹介します。
RAND関数(ランダム)の使い方
RAND関数は0以上で1より小さい実数の「乱数」を発生させる関数です。「F9」キーなどで再計算する度に新しい乱数に変更されます。
まずはRAND(ランド)関数の使い方を知るために構文を確認しましょう。
=RAND()
普通の関数の構文とは異なり引数が無い関数です。
この関数を使用すると下の図のように0~1の異なる数値がランダムに発生されます。
「F9」キーを押したりセルのダブルクリックやセルの数値の変更などの操作により、RAND関数の数値が何度でも変更されます。
「F9」キーはワークシートの再計算の機能を持っているよ。
RAND関数の様々な使い方はこちらの記事を参考にしてください。
RANK.EQ関数(ランクイコール)の使い方
RANK.EQ関数は参照データの順位を求めることが出来ます。
=RANK.EQ(数値,参照,順序)
- 数値:順位を求めたい数値を指定します。
- 参照:数値データ全体を指定します。
- 順序:1または0以外を指定すると昇順となり、0を指定すると降順になります。省略すると降順となります。
下の図のようにB列に入力された点数に対して、RANK.EQ関数を使用すると簡単に順位を求めることが出来ます。
ランダムな席順で座席表を作成する手順
それではRAND関数とRANK.EQ関数とVLOOKUP関数を使用して、ランダムな席順で座席表を作成する手順を紹介します。
「生徒」列の2つ左の列に「RAND関数」列を作成し、「生徒」列の1つ左の列に「RANK.EQ」列を作成して乱数に対してランク付けをします。
手順2.座席表作成用に「番号」列を作成
手順1で作成した表の右横に、座席表作成用に「番号」列を作成し、連番で人数分のナンバリング(1~9)をします。
手順3.VLOOKUP関数を挿入
手順2で作成した「番号」列の右横にVLOOKUP関数を挿入し、手順1で作成した「RANK.EQ」列と「氏名」列に対して、同じ数値に対応する氏名を抽出します。
手順4.テキストボックスを選択
「挿入」タブ⇒「図」⇒「図形」から、「テキストボックス」をクリックします。
手順5 .テキストボックスを挿入
自動でマウスポインターの形が変わるので、任意の場所でドラッグして、テキストボックスを挿入します。テキストボックスの位置や大きさは後で変えることが出来るので、おおよそのサイズ感だけ合っていれば問題ありません。
手順6 .テキストボックスにセルの値を参照させる
テキストボックスの枠線をクリックして選択した後に、数式バーをクリックし、“=”を挿入した後にG3セルをクリックします。
「Enter」キーを押すと、G3セルの文字がテキストボックスに反映されます。
手順7.「F9」キーでランダムにテキストボックスの氏名が変わるか確認
「F9」キーを押すと、テキストボックスの氏名がランダムに変更されることを確認します。
手順8.残りの座席を作成して座席表を完成
先頭の見出し『座席表を作成する方法』の手順4以降と同じ作業を行って、残りの座席表を作成すると、座席表がランダムに変化し、かつレイアウトを自由に変更できる座席表が完成しました。
『F9』キーを押すなどの操作をすると、座席表の氏名は操作の度に変化します。
使い方のポイントはテキストボックスに数式を挿入
今回はレイアウトを自由に変更できる座席表の作成方法と、席順がランダム(無作為)に変化する座席表の作成方法を紹介しました。
今回の記事のポイントは、テキストボックスに数式を挿入出来ることがとなりますので、ぜひ習得してみて下さい。最後まで見ていただきありがとうございました。