【エクセル】IFS関数とXLOOKUP関数を組み合わせた使い方!抽出値をIFS関数で変換

エクセルのIFS関数とXLOOKUP関数を組み合わせた使い方

Excel(エクセル)のIFS関数は、複数の条件で表示を分岐させることができるIF関数の新関数です。

また、XLOOKUP関数は、VLOOKUP関数の後継関数として登場した、表から検索値を抽出する大変便利な関数です。

このIFS関数の中に、XLOOKUP関数を組み合わせて利用することで、『抽出値を別の値に変換して表示』するなど、便利な使い方が存在しています。

今回は、『IFS関数とXLOOKUP関数を組み合わせて利用』する便利な活用方法を解説します。

IFS関数とVLOOKUP関数の組み合わせ方法は以下を参考👇

エクセルのIFS関数は、IF関数の進化版の関数

IFS関数は、IF関数を複数条件で利用することができるようになったIF関数の新関数です。

IFS関数は、1 つ以上の条件が満たされているかどうかをチェックして、最初の条件に対応する値を優先して表示します。

IFS関数の構文と引数は以下のとおりです。

=IFS(論理式1, 真の場合1, 論理式2, 真の場合2,論理式3, 真の場合3, ..., )

「論理式1」に当てはまる場合は「真の場合1」を表示します。

次に「論理式2」に当てはまる場合は「真の場合2」を表示します。次に「論理式3」に当てはまる場合は「真の場合3」を表示する・・・といった関数の仕組みです。(最大127個の条件設定が可能)

下の図がIFS関数のイメージ図です。

論理式1に当てはまる場合は「◎」、論理式2に当てはまる場合は「〇」、論理式3に当てはまる場合は「△」、どれにも当てはまらない場合は「×」といったように、条件に当てはまる場合の値を自在に設定することができます。

エクセルのIFS関数のフロー(イメージ図)
エクセルのIFS関数のフロー(イメージ図)

IFS関数で「条件に当てはまらない場合」「それ以外」を設定する際は、最後の2つの引数「TRUE,それ以外の場合の値」を指定します。

例えば、下のようにIFS関数を作成すると、C3セルが80以上以外であれば、「×」を表示させることができます。

IFS関数の「それ以外」を設定するときは「TRUE」と入力
IFS関数の「それ以外」を設定するときは「TRUE」と入力

実際にIFS関数の使った実例を1つ紹介します。

下の表のD3セルにIFS関数を利用して、点数を『80点以上は〇』、『40~79点は△』、『40未満は×』の3つで評価します。

=IFS(C3>=80,"〇",C3>=40,"△",TRUE,"×")

最後の引数が「TRUE」っていうのがIFS関数の特徴だよ

IFS関数を使った実例の紹介
IFS関数を使った実例の紹介

最後の引数に「それ以外」を表す”TRUE”を使わずに、「C3<40」という条件を設定しても結果は同じです。

=IFS(C3>=80,"〇",C3>=40,"△",C3<40,"×")

IFS関数の使い方は以下を参考👇

エクセルのXLOOLUP関数の使い方(おさらい)

次に、エクセルのXLOOKUP関数(エックスルックアップ)の使い方をおさらいします。

XLOOKUP関数の基礎について熟知されている方は、次の見出しまで読み飛ばしてください。

XLOOKUP関数は、VLOOKUP関数とHLOOKUP関数の両方の機能を兼ね備え、さらに大幅に機能が強化された新関数です。

XLOOKUP関数は、

指定した検索値に『当てはまる値』を、指定した検索範囲から縦方向や横方向で調べて、指定した位置から抽出することが出来る

関数です。

XLOOKUP関数の構文は下のとおりで、6つの引数が存在します。

=XLOOKUP(検索値,検索範囲,戻り範囲, [見つからない場合] , [一致モード] , [検索モード] )

長く感じるかもしれませんが、XLOOKUP関数の後半3つの引数は省略可能な上、VLOOKUP関数より引数の設定が簡単なので、XLOOKUP関数の方が断然便利です。

XLOOKUP関数を使った簡単な事例を1つ紹介します。

下の表から、商品名が「風邪薬」の商品番号をXLOOKUP関数を使ってH3セルに抽出することができます。

=XLOOKUP(G3,D3:D8,B3:B8)

XLOOKUP関数を使った実例(表から値を抽出)
XLOOKUP関数を使った実例(表から値を抽出)

IFS関数とXLOOKUP関数を組み合わせて出来ること

使い方の実例を紹介する前に、『IFS関数とXLOOKUP関数を組み合わせる』ことで、実現できることを紹介します。

IFS関数の中にXLOOKUP関数を挿入しますが、組み合わせのパターンが2つあるので、それぞれの内容を紹介します。

IFS関数の論理式にXLOOKUP関数を利用

XLOOKUP関数は、『表を検索して情報を抽出する関数』です。

一方で、IFS関数は『条件を指定して、セルの値によって他のセルの値を変換する関数』です。

IFS関数の1つ目の引数「論理式」にXLOOKUP関数を挿入することで、

『表を検索して該当する値を抽出し、その抽出値を条件によって別の値を変換する』

ことが出来ます。

XLOOKUP関数を挿入する引数の位置は、以下のとおりです。

図解.IFS関数にXLOOKUP関数を挿入する位置
図解.IFS関数にXLOOKUP関数を挿入する位置

下の図解で説明すると、上半分がXLOOKUP関数の領域で「表から値を抽出」します。

下半分がIFS関数の領域で抽出された値に条件を設定して、条件に合うか合わないかで表示する結果を変換します。

図解.IFS関数とXLOOKUP関数の組み合わせ
図解.IFS関数とXLOOKUP関数の組み合わせ

IFS関数を使って、XLOOKUP関数の結果を直接違う値に変換する、ってことだね。

IFS関数の「真の値」にXLOOKUP関数を利用

IFS関数の引数「真の値1」や「真の値2」にXLOOKUP関数を挿入することで、

『IFS関数の論理式に合った値を、表の中から抽出』

ことも出来ます。

XLOOKUP関数を挿入する引数の位置は、以下のとおりです。

図解.IFS関数にXLOOKUP関数を挿入する位置(2パターン目)
図解.IFS関数にXLOOKUP関数を挿入する位置(2パターン目)

下の図解で説明すると上半分がIFS関数で、下半分がXLOOKUP関数の領域です。

IFS関数のどの論理式の条件に当てはまるかによって、表から抽出する値を変更します。

図解.IFS関数とXLOOKUP関数の組み合わせ(2パターン目)
図解.IFS関数とXLOOKUP関数の組み合わせ(2パターン目)

IFS関数とXLOOKUP関数の組み合わせる方法(実例1)

それでは、IF関数とXLOOKUP関数を組み合わせた実例を紹介します。

下の販売高リストを使って、選択した商品番号の販売高が『1000(千円)以上であれば「」』、『600以上1,000(千円)未満であれば「」』、『600(千円)未満であれば「×」』をG3セルに直接表示させます。

XLOOKUPとIFS関数を使って販売高を「〇」「△」「×」で評価
XLOOKUPとIFS関数を使って販売高を「〇」「△」「×」で評価

それでは、関数を作成する手順を紹介します。

手順1.IFS関数の「論理式1」にXLOOKUP関数を挿入

G3セルにIFS関数を挿入します。

IFS関数の引数「論理式1」に、売上高が1,000千円以上の商品番号かどうかを表から判定するために、XLOOKUP関数を挿入します。

=IFS(XLOOKUP(F3,$B$2:$B$10,$D$2:$D$10)>=1000,

図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例1-1)
図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例1-1)

手順2.IFS関数の「真の値1」を設定

IFS関数の「論理式1」に当てはまる場合は『〇』と表示するため、引数「真の値1」に”〇”と入力します。

=IFS(XLOOKUP(F3,$B$2:$B$10,$D$2:$D$10)>=1000,"○",

図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例1-2)
図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例1-2)

手順.IFS関数の「論理式2」にXLOOKUP関数を挿入

次に引数「論理式2」に、売上高が600千円以上の商品番号かどうかを判定するために、2つ目のXLOOKUP関数を挿入します。

=IFS(XLOOKUP(F3,$B$2:$B$10,$D$2:$D$10)>=1000,"○",
XLOOKUP(F3,$B$2:$B$10,$D$2:$D$10)>=600,

図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例1-3)
図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例1-3)

手順.IFS関数の「真の値2」を設定

IFS関数の「論理式2」に当てはまる場合は『△』と表示するため、引数「真の値2」に”△”と入力します。

=IFS(XLOOKUP(F3,$B$2:$B$10,$D$2:$D$10)>=1000,"○",
XLOOKUP(F3,$B$2:$B$10,$D$2:$D$10)>=600,"△",

図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例1-4)
図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例1-4)

手順.IFS関数の「論理式3」「真の値3」を設定

IFS関数で「それ以外」を設定するために、最後の2つの引数TRUE,”×”を指定します。

3つ目のXLOOKUP関数を挿入しても関数は作成出来ますが、関数が長くなるので、TRUEを利用します。

=IFS(XLOOKUP(F3,$B$2:$B$10,$D$2:$D$10)>=1000,"○",
XLOOKUP(F3,$B$2:$B$10,$D$2:$D$10)>=600,"△",TRUE,"×")

図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例1-5)
図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例1-5)

手順.IFS関数とXLOOKUP関数の組み合わせが完成

IFS関数の最後の条件を入力したら、「Enter」キーを押して関数を確定させてください。

そうすると、下のように、商品番号「20」の販売高は600(千円)と800(千円)未満のため、G3セルは「△」と自動で表示されます。

図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例1-6) 関数の完成
図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例1-6) 関数の完成

IFS関数とXLOOKUP関数の組み合わせる方法(実例2)

IFS関数とXLOOKUP関数を組み合わせた2つ目の使い方をご紹介します。

下の価格リストを使って、H3セルの会員区分に合わせて、表から該当する価格を抽出しI3セルに表示させます。

IFS関数とXLOOKUP関数を組み合わせて会員区分に合わせた値段を抽出
IFS関数とXLOOKUP関数を組み合わせて会員区分に合わせた値段を抽出

手順1.IFS関数の「論理式」を設定

I3セルにIFS関数を挿入します。

IFS関数の引数「論理式1」に、H3セルが”会員”という条件を設定します。

=IFS(H3="会員",

図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例2-1) 論理式1
図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例2-1) 論理式1

手順2.IFS関数の「真の値1」にXLOOKUP関数を挿入

IFS関数の引数「真の値1」に、XLOOKUP関数を挿入して、表の中から商品番号にあった会員価格を抽出するよう設定します。

=IFS(H3="会員",XLOOKUP($G$3,$B$2:$B$8,$D$2:$D$8),

図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例2-2) 真の値1
図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例2-2) 真の値1

手順3.IFS関数の「論理式」を設定

次に、IFS関数の引数「論理式2」に、H3セルが”非会員”という条件を設定します。

=IFS(H3="会員",XLOOKUP($G$3,$B$2:$B$8,$D$2:$D$8),H3="非会員",

図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例2-3) 論理式2
図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例2-3) 論理式2

手順4.IFS関数の「真の値2」にXLOOKUP関数を挿入

IFS関数の引数「真の値2」に、XLOOKUP関数を挿入して、表の中から商品番号にあった非会員価格を抽出するよう設定します。

=IFS(H3="会員",XLOOKUP($G$3,$B$2:$B$8,$D$2:$D$8),H3="非会員",XLOOKUP($G$3,$B$2:$B$8,$E$2:$E$8))

図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例2-4) 真の値2
図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例2-4) 真の値2

手順.IFS関数とXLOOKUP関数の組み合わせが完成

「Enter」キーを押して関数を確定します。

そうすると、下図のように、商品番号「25」の非会員価格1,100円が自動で表示されます。

図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例2-5) 結果の確認
図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例2-5) 結果の確認

H3セルを会員に変更すると、会員価格900円も自動で表示されます。

図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例2-5) 会員価格も自動で表示
図解.IFS関数×XLOOKUP関数(実例2-5) 会員価格も自動で表示