【自治会/PTA】エクセルで予算書を作成する方法。出納帳と決算書を活用!

自治会やPTA用のエクセル予算書を作成する方法。

以前、【自治会/PTA】会計係のためのエクセル決算書の作り方。出納帳を上手に利用しようの記事で、自治会/PTA用のエクセルで決算書を作成する方法をご紹介しました。

今回は、自治会やPTA用の『予算書』にフォーカスをあてて、『エクセルで予算書を作る方法』をご紹介します。

私事ですが、経理部員として決算書を日常から作成しているので、昨年自治会の会計係を担当した際に、代々ノートで作られていた出納帳と決算書と予算書をエクセルで作成しました。

地元の自治会内では好評でしたので、全国の自治会やPTAの会計係の皆さんが簡単にエクセルで予算書を作成出来る方法をご紹介します。

予算書は『翌期にどのようなイベントを行うかを金額を含めて取り纏められた「翌期の計画書」』です。

予算書を作成する前に、出納帳や決算書を作っていない方は、まず以下のリンク記事を参考にして出納帳と決算書を作成した方が、スムーズに予算書を作成することが出来ます。

ではどうぞご覧ください。

出納帳の作り方

決算書の作り方

予算書とは?

会計係の最も大切な業務は、「手元に残している現金の入出金管理」と「通帳の入出金管理」と「決算書の作成」です。

しかし、自治会やPTAによっては、予算書の作成』を会計係が担当している場合もあるでしょう。

自治会やPTAでの予算書とは、『翌期(来年度)にどのようなイベントを行うか、収入と支出をいくらの金額で計画するか、資金の残高を最終的にいくら残すか、などを網羅した「計画書」です。

予算書のひな形(フォーマット)は決算書のひな形と合わせている地域も多いでしょう。

自治会やPTAでの『予算書』
自治会やPTAでの『予算書』

予算書は、決算書と合わせて自治会やPTAの総会資料に使われます。全自治会員に1年間の活動結果を決算書で報告した後に、予算書で翌期の活動内容を報告します。

予算書は何に使う?

翌期の活動計画を報告するために、総会資料(事業報告書)に載せる

『予算書』の役割は以下のようなものがあります。

予算書の役割

1.翌期の収支が予測できる
2.収入と支出の内訳が確認できる
3.活動期間の資金の増減が予測できる
4.翌期の活動期間の末日の資金残高を予測できる
5.当期の実績と予算の偏差を確認できる

予算書のひな形を作成

予算書は下の完成イメージ図のように、『収入の部』『支出の部』『収入-支出の部』『残高の部』の4つで構成で作成します。

下の図や表内のナンバリングを参考に、足し算や引き算の数式を挿入しながら、予算書のひな形を1つずつ作成してください。

下の図では説明しやすいようにサンプルの金額を入力していますが、この見出しではひな形の作成だけでOKです。金額は次の見出しを参考に入力してください。

直近の会計期間の実績と比較するために予算書に「決算値」を記載する場合は、「決算」列を挿入(青線部分)し、決算書の金額を入力してください。

自治会/PTAの予算書の構成
自治会/PTAの予算書の構成

ひな形/収入の部

収入の部には、活動期間中に入金された『自治会費』『預金利息』『雑収入』などで構成されます。翌期に特別な収入が予測出来ている場合は、新たに項目を追加しましょう。

自治会の予算書の『収入の部』
自治会の予算書の『収入の部』

ひな形/支出の部

支出の部には、活動期間中に出金した『運営費』『会議費』『清掃活動費』などで構成されます。自治会によって活動内容が異なるので、過去の決算書を参考に項目を設定しましょう。

翌期に特別なイベントが予測出来ている場合は、予算を割り当てるために新しい行項目を追加しましょう。

自治会の予算書の『支出の部』
自治会の予算書の『支出の部』

ひな形/収入-支出の部

『収入の部』の合計金額から『支出の部』の合計金額を引いた金額が、活動期間の収益となります。

自治会の予算書の『収入-支出の部』
自治会の予算書の『収入-支出の部』

残高の部

資金残高を表に纏めます。

予算の前年度繰越金は、「活動開始時点の資金残高」を意味します。そのため、この予算の前年度繰越金は、決算書の活動終了時点の資金残高である「翌年度繰越残高」と金額が一致します。

『収入の部』の合計金額を足して、『支出の部』の合計金額を引くことで、翌年度繰越金(活動終了時点の資金残高)を表示させます。

【重要】予算の前年度繰越金は、決算書の翌年度繰越金と金額が一致しなければいけません。

自治会の予算書の『残高の部』
自治会の予算書の『残高の部』

予算金額を入力して予算書(案)を作成

予算書のひな形が完成したら、次は各構成ごとに予算書に予算の金額を入力していきましょう。

予算書/収入の部

直近の活動期間の決算書や、自治会員やPTA会員の会員数の変動から「会費」を予測します。会員数×会費で算出しましょう。

また銀行に預金残高がある場合は、少額ですが預金利息が発生しますので予算を織り込みましょう。

自治会の予算書の『収入の部』に予算を入力
自治会の予算書の『収入の部』に予算を入力

予算書/支出の部

直近の活動期間の決算書や、会員数から必要な予算額を算出します。夏祭りやクリスマス会など大きなイベントを予定している場合は、予算額を忘れずに入力しましょう。

活動期間の収支が赤字とならないよう、収入の金額に収まるように支出の予算を各項目に割り振っていきます

自治会の予算書の『支出の部』に予算を入力
自治会の予算書の『支出の部』に予算を入力

予算書/収入-支出の部&残高の部

「収入-支出の部」と「残高の部」は計算式で自動で算出されるので予算金額を入力する必要はありません。

「収入-支出の部」は、収入に見合った支出額となっていることを確認しましょう。

「資金の部」は、来年の翌年度繰越金に残高がしっかり残っていて、再来年の活動に支障が無いことを確認します。

「収入-支出の部」と「残高の部」の予算を確認
「収入-支出の部」と「残高の部」の予算を確認

定期集会で予算案をレビュー

自治会/PTAの予算案はメンバーとレビューが大切
自治会/PTAの予算案はメンバーとレビューが大切

予算書が完成したら、総会前に行われる「定期集会」の場で、他の役員さん達と予算案についてレビューします。

どのような考え方で予算案を作成したかを簡潔に伝えましょう。

決算書の報告内容

  • 『収入の部』は、直近の実績〇〇円に対し予算▲▲円、実績より△△増減。理由は・・・。
  • 『支出の部』は、直近の実績〇〇円に対し予算▲▲円、実績より△△増減。理由は・・・。
  • 結果として来期の収益を表す『収入-支出の部』は、直近の実績〇〇円に対し予算▲▲円。
  • 『残高の部』は、来期の活動終了時点の翌年度繰越金は▲▲円を予測しています。

昨年の予算書をマネして作成しよう

今回は自治会やPTAの「予算書」の作成方法を紹介しました。

1年任期で会計係を担当している皆さんは大変ですよね。分からないことだらけだと思いますが、ポイントは「昨年の決算書」や「予算書」を極力マネしながら作成しましょう。後は「予算値」が赤字になっていなければ、基本的にOKとなる自治会が多いと思います。