保険金不正請求問題をきっかけに経営危機に陥っている中古車販売大手ビッグモーター(BIGMOTOR、BM)。
消費者庁は2023年9月5日、ビッグモーターに関するトラブル相談の件数とその内訳をホームページで公表しました。
その公表された内容は、『ビッグモーターのトラブル件数は年々増加し続けている』という衝撃の内容でした。
さらに、この公表した内容を詳しく見ると、最もビッグモーターに多い苦情は、保険契約や車検の不正ではなく、『売買トラブル』が9割を占めていることが分かりました。
ビッグモーターは、この『売買トラブル』に関して、公の場で謝罪やその原因について説明を行っていません。
そのため、ビッグモーターで一番危険なのは『保険不正請求』ではなく『売買トラブル』です。
今回の記事は、以下の内容をお届けします。
今回の記事で紹介すること
・消費者庁が公表したビッグモーターへの苦情の件数
・ビッグモーターへの苦情の内訳
・ビッグモーターで多い『売買トラブル』のケース
・ビッグモーターが公に謝罪を行わない理由
参考記事:Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/fe803122044a81f056197ec7fe28690c7fcb6639?page=1
消費者庁がビッグモーターへの苦情の内訳を公表
国会議員が消費者庁へたことがきっかけで、9月5日、消費者庁はビッグモーターの苦情の数や内訳を公表しました。
『ビッグモーターに関する消費生活相談の状況等について』というタイトルで、下の資料が消費者庁のホームページから確認することが出来ます。
上の画像の資料は、以下のリンクから確認することが出来ます。
引用元:消費者庁ホームページ
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/other/#other
消費者庁が公表したビッグモーターへの苦情の数と内訳
それでは、消費者庁が公表したビッグモーターへの苦情の内容を紹介します。
一番多い苦情は『売買トラブル』が9割を占める
まずは、下の表1「ビッグモーターに関する消費者生活相談の状況」を見て下さい。
2022年度の苦情の件数は合計1,491件となっていて、以下のような内訳になっています。
- 「①購入・売買等」 ⇒ 1,313件
- 「➁修理サービス」 ⇒ 46件
- 「③車検サービス」 ⇒ 31件
- 「④その他」 ⇒ 101件
たった1年で1,491件もの膨大な数の苦情がよせられています。
注目すべき点は、『①購入・売買等』が1,313件と、苦情のほどんどは車の売買に関連していることが分かります。
車の修理に関しての苦情が一番多いと思ってたけど、売買トラブルがダントツで多いってことだね。

さらに、苦情件数の推移を見ても、毎年増加の一途をたどっています。
- 「2018年」 ⇒ 911件
- 「2019年」 ⇒ 1,048件(前年比:115%)
- 「2020年」 ⇒ 1,271件(前年比:121%)
- 「2021年」 ⇒ 1,431件(前年比:113%)
- 「2022年」 ⇒ 1,491件(前年比:104%)
さらに、公開された資料には、ビッグモーター以外の中古車の購入・販売等に関する苦情の件数も記載されています。
上の表のとおり、2018年から2022年の苦情件数は7,200件前後で推移しています。
そのため、ビッグモーターの毎年増加する苦情件数がいかに異常な数値かが分かります。
また、消費者センターに寄せられた2022年の苦情件数は合計895,606件です。
ビッグモーターの件数は1,491件なので、日本全体の苦情の0.17%を占めています。
日本の企業数は約350万社あるにもかかわらず、ビッグモーターのたった1社の苦情で全体の0.17%を占めています。
いかに、ビッグモーターの苦情件数が多いかが数値から分かると思います。
消費者庁も早く世間に公表してくれないと存在する意味がないよね。

苦情は氷山の一角
ほとんどの顧客は衝突を避けるために、不満の解決をあきらめて苦情を申し立てません。
そのため、2022年、ビッグモーターには1,491件の苦情が寄せられましたが、さらに数多くのユーザーが不満を抱えていることが予想されます。
現に、口コミサイトを閲覧し調査すると、ビッグモーターへ不満を口にする投稿が数多く見受けられました。
以下のリンク記事で、ビッグモーターに投稿された口コミを調査しています。
興味のある方は合わせて読んでください。
サクラと思える良い投稿も混ざっていたから、利用者は正しい判断がしづらいと思ったよ。

ビッグモーターの苦情の実態
ビッグモーターへの苦情は、マスコミの報道やSNSの拡散やよって次々と明らかになっています。
実際にどんな苦情があるのか、SNSに投稿された実際の生の声を紹介します。
ネットで調べたらいくらでも出てくるよ。

ケース1:買取後に不正な減額を要求
1つ目の苦情は、SNSに投稿された以下のクレームです。
クルマの買取が終わり入金された後に、ビッグモーター社員から連絡があり、減額か車を返却したいとの無理な要求があったようです。

買取の査定の意味がまったくない・・・恐ろしい・・

ケース2:代車は無料との嘘の記載
2つ目の苦情は、車の買取時に「約束時間を守らない」「無料のはずの代車費用を査定額から減額された」といった内容です。

まず客をおびき寄せてから、上手く騙したいんだろうね。

ケース3:中古車購入後に追加支払の要求
3つ目の苦情は、車の購入した後に「追加で支払を要求された」といった内容です。

自分のミスを理由に後から客にお金を要求するって、恥ずかしくないんかな。そもそも、嘘かもしれんけど。

ケース4:修理した1カ月後に故障
4つ目の苦情は、車の修理を出した後に「1か月後に故障した」といった内容です。

それ以外にも、以下のような苦情が報告されているようです。(引用記事:Yahoo!ニュース)
修理や車検に関する苦情
・最初に見積もりした価格より実際に車検整備をおこなった後では13万円も高くなっていた
・車検を受けた直後にクルマの調子が悪くなった
・車検に出したら、身に覚えがない故障個所を指摘された
・事故で板金修理に出したが、出したときにはなかったはずの傷の指摘を受け修理代が上乗せされた
・修理の際の工賃が異常に高い。ディーラーと比べても15分程度の作業の工賃が2万円以上
客には高く請求し、できるだけ安価で修理する、というのが方針みたいだね。

ビッグモーターは『売買トラブル』を認めていない
上で紹介した「売買トラブル」に関して、メディアがビッグモーター広報部に確認しても「そのような事実は認められていません」と回答しています。
つまり、ビッグモーターは、「この問題に誠実に向き合い、問題があったなら謝罪する」という意思は無いということです。
ビッグモーターは「保険不正請求」「街路樹除草剤問題」「車検の不正」に関しては認めていますが、「売買トラブル」や「パワハラ」の問題は一切触れていません。
ビッグモーターの狙いとしては、7月末に行った謝罪会見で幕引きを図りたいということでしょう。
しかし、本当に会社を立て直したいのであれば、過去の問題を洗いざらい表化し、世間に謝罪することが一番大切だと思います。
さらに、このような会社にしてしまった元社長の兼重宏行氏や元副社長の兼重宏一氏は、株式を放棄し、ビッグモーターから手を引くのも、会社再建のためには重要な要素です。
どんなにコンサルを入れて再建しようとしても、客からの信頼を取り戻せないと意味がないんよね。

まとめ
ビッグモーターは「保険金不正請求」「街路樹問題」などの不祥事の影響で、店舗を次々に閉鎖し、本社を店舗に移転するなど事業の縮小を開始し、経営の合理化を開始しています。
しかし、ビッグモーターで発生している「売買トラブル」「パワハラ」についてはいまだ未解決で、世間に対しての謝罪はありません。
ビッグモーターとしては幕引きを図って、一から会社を作り上げていきたいと思っているのでしょうが、まずは過去を清算することの方が大切でしょう。