中古車販売業界2位のネクステージは、社員の告発がきっかけで、不正が横行している疑いがあることが発覚しました。
不正の内容は、わざとパンクさせたり、パンクさせたように見せかける「タイヤ保証をめぐる不適切な行為」など、計11件の不正が発覚しています。
ビッグモーター(BIGMOTOR)が保険金不正請求などにより世間からの怒りをかっていますが、ネクステージも同様の不正を行っていた可能性が非常に高まっています。
今後、ネクステージにもユーザーからの疑いの目が向けられるのは間違いありません。
そんな状況の中、ネクステージを調べていると、ビッグモーターとの共通点が多いことが分かってきました。
今回の見出しでは、ビッグモーターとネクステージの共通点と、ネクステージの今後の展開予想を紹介します。
ネクステージで発覚した不正の内容
8月にネクステージは社内調査を実施し、「不正な案件は確認されなかった」と公表していました。
しかし、週刊文春からの取材を受けたことをきっかけに、9月1日、計11件の不適切な事案が見つかったことをホームページで公表しました。
以下がHPで公表された不正の内容です。
ネクステージの不適切な事案
1.乗らない車を使うなどの保険契約のねつ造・・・・8人
2.保険の加入を条件に車の値引きを提案・・・1件
3.タイヤ保証をめぐる不適切な行為・・2件
告発したネクステージの現役の営業社員によると、特に行われているのは、工賃を増やすためにパンクしていないタイヤをわざとパンクさせる”パンク不正”とのこと。
これを聞く限り、ビッグモーターとまったく同じ状況で、コンプライアンスのかけらも感じません。
ネクステージの自社点検では、11件の不適切な事案があったと報告していますが、不正の件数がこれだけだと信じる人は誰もいないでしょう。
今後も社員から過去の不正が漏れたり、告発されることで、ビッグモーターのように世間から叩かれることになることが予想されます。
ネクステージの現役社員、元社員の告発した発言内容は、以下の記事で詳しく紹介しています。
ビッグモーターとネクステージの6つの共通点
ネクステージはビッグモーターと同じ様な不正を行っていたわけですが、調べていると、この2社には6つの共通点があることが分かりました。
これらの共通点を紹介していきます。
ネクステージはビッグモーターと双子会社なのかって思うくらい一緒だよ。

共通点1:ネクステージの社長がビッグモーターの元役員
ネクステージの現社長の浜脇浩次氏は、元ビッグモーターの役員です。
つまり、ネクステージの経営は、ビッグモーターの経営方針が基になっている可能性があります。
- 氏名:浜脇浩次(はまわき こうじ)
- 生年月日:1969年9月18日
- 年齢:54歳(2023年時点)
- 出身地:山口県下関市
- 職業:(株)ネクステージ 代表取締役社長執行役員
この人物のプロフィールと経歴を紹介します。
- 1993年(23歳):(株)ビッグモーターに入社
- 2004年(34歳):(株)ビッグモーター 常務取締役に就任
- 2004年(35歳):(株)ビッグ周南 代表取締役社長に就任
- 2005年(35歳):(株)ハナテン 取締役に就任
- 2008年(38歳):(株)ビッグモーター 専務取締役営業本部長に就任
- 2016年(46歳):(株)ネクステージ 取締役副社長に就任
- 2017年(47歳):(株)NEW取締役社長に就任
- 2018年(48歳):ウェインズインポート(株)(現:株式会社Ai)取締役に就任(現任)
- 2022年(52歳):(株)ネクステージ 代表取締役社長執行役員に就任
- 2022年(52歳):(株)ASAP 代表取締役会長に就任(現任)
- 2022年(52歳):(株)ユニバースレンタカー 代表取締役会長に就任(現任)
浜脇浩次氏は、ビッグモーターを退社し、ネクステージにヘッドハンティングで引き抜かれる形で、2016年2月にネクステージ副社長に就任しました。
一方、その2か月ほど前の2015年12月に、数々の不祥事の元凶とも伝えられている兼重宏一氏がビッグモーターの副社長に就任しています。
私の憶測ですが、ビッグモーター社長の息子が役員に就任し、自分自身のキャリアに不安・不満を感じて、浜脇氏は転職したのではないでしょうか。
この2人が、同じ職場で働いていたっていうのも驚きだよね。

このビッグモーターの元副社長:兼重宏一氏については、以下の記事で紹介しています。興味のある方は覗いてみて下さい。
共通点2:損保ジャパンからの出向者を積極的に受入
共通点の2つ目は、ビッグモーターと同様、保険会社の損保ジャパンからの出向者を積極的に受け入れているということです。
ネクステージの社外取締役を務めている「福島純子」氏は、損保ジャパンの出身です。
IR情報を確認すると、福島氏の経歴は、以下となっています。
1992年4月 | 安田火災海上保険株式会社入社 |
2015年9月 | 損害保険ジャパン日本興亜株式会社(現損害保険ジャパン株式会社)新潟自動車営業部長就任 |
2018年4月 | 同社人事部特命部長就任 |
2019年4月 | 同社東京業務部長就任 |
2021年4月 | SOMPOビジネスソリューションズ株式会社(出向)取締役 常務執行役員人財開発本部長就任(現任) |
2022年2月 | ネクステージ取締役就任(現任) |
また、役員だけでなく、損保ジャパンからネクステージへの出向者の状況を見ても、保険部門などに6人出向している状況です。
損保ジャパンからビッグモーターへ毎年多くの出向者を出していましたが、ネクステージも状況はまったく同じです。
さらに、ネクステージの社外取締役の遠藤功氏は、損保ジャパンの親会社SOMPOホールディングスの社外取締役も務めています。
IR情報を確認すると、遠藤氏の経歴は、以下となっています。
1979年4月 | 三菱電機株式会社入社 |
1988年10月 | ボストン・コンサルティング・グループ(現ボストン・コンサルティング・グループ合同会社)入社 |
1992年10月 | アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア株式会社)入社 |
1996年10月 | 同社パートナー就任 |
1997年9月 | 日本ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン株式会社(現PwCコンサルティング合同会社)パートナー兼取締役就任 |
2000年5月 | 株式会社ローランド・ベルガー代表取締役社長就任 |
2006年4月 | 同社会長就任 |
2006年4月 | 早稲田大学大学院商学研究科教授就任 |
2007年8月 | 株式会社シナ・コーポレーション代表取締役就任(現任) |
2011年5月 | 株式会社良品計画社外取締役就任 |
2013年3月 | ヤマハ発動機株式会社社外監査役就任 |
2014年6月 | NKSJホールディングス株式会社(現SOMPOホールディングス株式会社)社外取締役就任(現任) |
2014年6月 | 日新製鋼株式会社(現日本製鉄株式会社)社外取締役就任 |
2020年11月 | ネクステージ顧問就任 |
2021年2月 | ネクステージ取締役就任(現任) |
経歴を見ると、確かにネクステージとSOMPOホールディングスの社外取締役に就任しています。
このことからも、2社の繋がりが強いことが推測できます。
互いの会社にメリットがあるから出向が頻繁に行われるんだろうね。

共通点3:損保ジャパンが主要な保険会社
共通点の3つ目は、ビッグモーターと同様、ネクステージでも損保ジャパンとの取引が多いということです。
先日、損保ジャパンとSOMPOホールディングスは、ビッグモーターとの関係についての認識の甘さについて謝罪会見を行い、損保ジャパンの白川社長は辞任を表明しました。
2022年度のネクステージの保険収入は合計で約170億円で、そのうち4割強が損保ジャパンとなっています。
上で紹介したとおり、ネクステージの社外取締役に損保ジャパンが入っていることから、取引上の繋がりだけでなく、経営面においても関係しているようです。
現時点では、ネクステージが保険不正請求をしていたという不祥事は公表されていません。
しかし、元社員が「ビッグモーターよりやばいことをしていた」と告発しているので、いずれマスコミによって暴露されていくでしょう。
わざと車をパンクさせるくらいだから、保険金も上乗せで請求してそうだよね。

共通点4:口コミでの評判が悪い
ネット上で投稿されているビッグモーターの口コミ・評判が非常に悪いことは有名です。
同様に、ネクステージへの口コミも悪いものが目立ちます。
【車選びドットコム】サイトから、それらの投稿を抜粋して紹介します。
参考サイト:車選びドットコム
https://www.kurumaerabi.com/kaitori/
車買取を依頼。契約後、台車貸しますと親切に対応して頂いたと思っていましたが気づけばキャンセルもできない状態に。無知な私も悪いのですが客を逃がさないために親切を装うのはちょっとやり方が汚いかなと思いました。
引用元:車選びドットコム
RVラボにweb経由で査定を依頼しました。程なく電話がかかってきて、電話口の担当者は、古い車ですが人気がある車ですので是非とも査定させて欲しい、ついては査定担当者から日程の連絡をさせてくれとのことなので待っていると、ネクステージから電話があって そんな古い車は買い取れませんとのこと。。。 いい加減にしてほしい。仕方なくジモティーに出したら問い合わせが殺到してあっという間に売れました。
引用元:車選びドットコム
接客はいい感じでしたが、その後の対応が最悪です。 折返しの連絡をすると言いながらも、連絡なし。 こちらから連絡すると、嘘ばかりの言い訳。 残念としか言いようがありません。
引用元:車選びドットコム
このように、ネクステージとの取引に不満なユーザーが一定数いるようです。
全ユーザーを満足させることは難しいでしょうが、ビッグモーターと同様、不満だと感じてる人が多く感じます。
ネクステージも利益優先主義っていうことがよく分かる投稿だね。

共通点5:社長が山口県出身
ネクステージの社長もビッグモーターの元社長、現社長も山口県の出身という共通点があります。
まず、ビッグモーターを1代で全国展開にまで成長させた元社長の兼重宏一さんの出身地は、山口県岩国市です。
ビッグモーターの不祥事問題を受けて、新たに社長に就任した和泉伸二さんの出身地は、山口県光市です。
続いて、3人目の元ビッグモーター役員のネクステージ現社長の浜脇浩次さんの出身地は、山口県下関市です。
3人の出身地が山口県という共通点がありますが、同時期に一緒に働いていたこともあるので、偶然ではないでしょう。
ビッグモーターの前社長の兼重宏行氏が、同郷の仲間として、この2人を気に入り出世させたのかもしれませんね。
この3人がビッグモーターの役員だったと思うとすごい会社だね。

共通点6:ホームページが酷似している
悪い共通点というわけではありませんが、2社のホームページのトップ画面は酷似しています。
下の画面ショットの画像が、ビッグモーターのホームページのトップ画面です。

続いて、下の画面ショットの画像が、ネクステージのホームページのトップ画面です。

共に青を基調にしていて、都道府県別に店舗検索したり、車の種別で検索できる仕組みは全く同じです。
ネクステージの社長がビッグモーターのやり方を真似るように言ったのかな。

今後、どうなるのか予想
今後、ネクステージはビッグモーターと同じ運命をたどることになるのでしょうか。
ネクステージも利益優先主義で、強引な経営を行い保険金不正請求などの不正を行っていた場合、今後どのようなことが起きるか予想します。
国交省のヒアリングや立ち入り調査の開始
斉藤鉄夫国土交通相は9月8日の閣議後の記者会見で、ネクステージの社員が不正に車の保険契約をしたことなどについて「事実関係を確認したい」と述べました。
そのため、国交省による立ち入りやヒアリングが開始される可能性が高いでしょう。
ネクステージの社員による内部告発や頻発
続いて可能性が高いのは、ネクステージの元社員や現役社員による内部告発です。
過去や現在、パワハラなどで虐げられた社員にとっては、会社自体や上司に恨みを持っていてマスコミに情報をリークする可能性は高いと思います。
ビッグモーターも同様の告発が多発したよね

ネクステージ社長の記者会見
内部告発が続き、国交省のヒアリングや調査を求められると、嫌でもユーザーだけでなく世間が騒ぎ出します。
そうなると、マスコミ向けの記者会見が開かれる可能性が高くなります。
ビッグモーターも2023年7月に謝罪会見を開きましたが、そのきっかけとなったのは、2021年秋の内部告発です。
上のような画像が今後開かれる可能性は十分あると思います。
客足が遠のいて、「倒産」が噂される
ビッグモーターと同じ様な不祥事が発覚した場合、ネクステージは経営危機に立たされます。
ユーザーは安心してネクステージを利用できないので、客足は大幅に半減し、「倒産」「つぶれる」というワードがささやかれるでしょう。
まとめ
今回はビッグモーターとネクステージの6つの共通点を紹介しました。
ネクステージの社長が、元ビッグモーターの社長なので共通点が多くなるのは当然でしょうか。
ネクステージの信頼が揺らぎ、株価はストップ安をつけるなど、一般株主にとっては、大騒ぎでしょう。
今後、引き続きネクステージがどうなるか注視していきたいと思います。