ビッグモーターの改革方針決定!新社長「当社の常識が世の中の非常識」と猛省

2023年、中古車販売大手のビッグモーター(BIGMOTOR)は、「保険金不正請求」などの数々の不祥事が発覚し、世間を大きく賑わせています。

今後、ビッグモーターは倒産すると誰もが予想している状況です。

そんな中、新社長に就任した和泉伸二氏は2023年8月24日の朝に、社員に対してビデオメッセージを送りました。

そのメッセージには、今までの行いに対して反省の言葉と、今後の経営改革方針に対して触れられていました。

今回は、このメッセージから、今後の改革方針の内容を深掘りしてどんなことを行うか予想します。

引用元記事:静岡朝日テレビ
https://news.yahoo.co.jp/articles/3655437ae1f46ad6ec7efe2c316c59170cf8cbef

本当に反省して会社が変わっていくか、皆で注意深く見ていこうね。

和泉新社長の社内メッセージ

新社長・和泉伸二氏が2023年8月24日の朝に、社員に対して送付したビデオメッセージ画像
引用元:静岡朝日テレビ

和泉社長の社内メッセージでは、『社員への感謝』『過去の反省』『今後の改革』の3つの内容が語られています。

それでは、それぞれの発言を紹介していきます。

冒頭のあいさつ、社員への感謝

和泉新社長より

皆様、社長の和泉です。日々猛暑が続くなかお客様へのご対応、誠にありがとうございます。またこのような状況においても、従業員の皆様に当社を支え続けていただいていることについて、感謝の念に絶えません。経営陣を代表してお礼を申し上げます。

引用元記事:静岡朝日テレビ

まずはあいさつの冒頭、苦しい会社の状況や世間からの風当たりが厳しい中でも、働いてくれている社員に対して「感謝」の言葉から始まっています。

普通の挨拶だけど、前社長や前副社長の兼重親子だったら出来なさそう・・

過去の反省と要因を説明

和泉新社長より

私が社長に就任してから3週間以上が経過した。今回の問題に直面し、日々議論をする中で、毎日のように出てくるさまざまな問題の本当の要因は、事業規模の拡大に組織や体制が全く追いついていなかった。そして当社の常識が世の中の常識と合っていなかったことに尽きると考えている

引用元記事:静岡朝日テレビ

和泉新社長より

高すぎた目標設定や行き過ぎた業績管理が一連の問題の原因

引用元記事:静岡朝日テレビ

和泉社長は、ビッグモーターが急成長する中で組織の体制を整備することが出来なかったと反省の言葉を口にしています。

また、高すぎたノルマが一連の問題の要因とも説明。

この点に関しては、世間の認識と一致しているでしょう。

ただ、法に触れるほどの悪事を働くということは、パワハラの常習化給与体系など、それ以外にも多くの要因がありそうです。

納税とか、決算とかちゃんとやってたのかな・・・。私は経理部なのでその点がどうも気になる・・

今後の経営改革について

和泉新社長より

当社は抜本的に生まれ変わるために経営、組織、権限に関する改革、いわゆるガバナンス改革風土改革法令順守。コンプライアンスをベースとした再発防止策を策定し推進する。これまで外部の目をいれず、トップダウン。スピード重視だった当社だったが、社外取締役や社外監査役といった方々に入っていただき、日々厳しい意見をいただくことで世の中の常識にかなうそういった体制を整え、しっかりとした経営ができるように変えていく

引用元記事:静岡朝日テレビ

上記は、和泉新社長の後半メッセージで、今後の経営改革の内容について語られています。

重要なキーワードがいくつもあるので、大切な部分を抜粋します。

経営改革のポイント

1.ガバナンス改革(経営、組織、権限)

2.風土改革

3.法令順守(コンプライアンス)

4.社外取締役と社外監査役の設置

現在、ビッグモーターでは取締役会が行われていません。

そのため、社外から取締役と監査役を招くということは、取締役会を実施することも意味しています。

以降の見出しでは、これらの4つの改革をビッグモーターはどのように行うのか予想してみましょう。

取締役会なしで、どうやって重要事項を決議してたんだろ・・・信じられません。

今後の改革内容

和泉社長のメッセージから、それぞれの改革の内容を掘り下げて、いったいどんな改革を行っていくのか予想してみましょう。

ガバナンス改革

ビッグモーターのガバナンス改革

1つ目の改革は、『ガバナンス改革』です。

 ガバナンスとは「統治・支配・管理」を意味する言葉です。

つまり、不正行為が発生しないように必要な体制を整えるのが「ガバナンス」です。

「ガバナンス」が欠如していると、ビッグモーターのように不正を防ぐことが出来ません。

ガバナンスを強化するためには、規則を作成する、意識改革する、人材教育する、監査する、ルールを周知徹底する、など方法は様々です。

コンプライアンスや取締役会の設置もガバナンスの一つですが、私が特に、ビッグモーターが行う(べき)と予想するガバナンスは以下の3つです。

  • 『経営陣の総入れ替え』
  • 『経営企画書や社内規則の全見直し』
  • 『給与体系の見直し』

経営陣の総入れ替え

長期にわたって不正を容認していた今の経営陣が「正しい会社のあり方」を自分たちで考えるのは不可能でしょう。経営陣を総入れ替えし、外部の人間を招き入れる必要があります。

社内規則の全見直し

前社長が数十年前に作成した経営企画書には「経営陣に部下の生殺与奪権を与える」などが書かれた書物があります。これらの経営企画書も含めて、会社の社内規則、部基準、社長方針、などすべて見直す必要があります。

給与体系の見直し

過剰なノルマを与え、達成したものには4000万円以上与えるような給与体系が不正の要因になっています。ノルマ制を残すにしても、給与レンジを下げて、ノルマを達成しうるものに変える必要があります。

組織風土の改革

ビッグモーターの風土改革

2つ目のビッグモーターの改革は、「組織風土の改革」です。

組織風土とは、組織内での共通認識となっている独自のルール価値観などを指します。

多くの社員が直接的、または間接的に組織風土の存在を感じており、普段の業務や行動、精神面に無意識のうちに影響を受けています。

例えば、「あの会社はアットホームな会社だね」「社員が活気に溢れている」「風通しが良い会社」と表現されるのは、組織風土そのものです。

職場風土を目指すうえで必要不可欠なのは、社内のコミュニケーションを活発化させていくことです。

しかし、ビッグモーターで長らく根付いてしまったパワハラなどの社内風土は簡単に変えることは出来ないでしょう。

そのため、長い年月をかけて職場環境を改善するために、以下の2点を見直すことから始めると予想します。

リーダーと部下の定期的なコミュニケーション

リーダーと部下の1on1での対話や、グループ内での定期的なコミュニケーションの場を設けることで、悩みを相談したり、活動の方向性なども共有出来ます。

風土を変えようとすると、「昔の方が良かった」「いまさら」っていう人が必ず現れるからね。

再発防止策(法令順守の徹底)

ビッグモーターの法令順守

3つ目のビッグモーターの改革は、「法令順守の徹底」です。

「法令順守」は「コンプライアンス」と同義です。

法令順守を厳守していないと、不正が発生し企業は信頼されずいつの間にか顧客を失うことになります。

そのため、法律など社会的なルールに違反してばかりの企業は、ビジネスを存続させることができません。

ビッグモーターは、保険金不正請求街路樹除草剤問題パワハラなど、様々なコンプライアンス違反を発生させてしまいました。

そのため、法令順守を徹底するためには、以下の取り組みから始めると予想します。

外部機関の教育やコンサルを利用

外部機関が開催しているコンプライアンス教育を定期的に受講したり、コンサルを利用して外部の指導を仰ぐ

取締役会の実施

ビッグモーターの取締役会の開催

4つ目のビッグモーターの改革は、「取締役会の開催」と「社外取締役と社外監査役の設置」です。

驚くべきことに、ビッグモーターは取締役会が行われていません。

中小企業であれば、取締役会を設置する義務はありませんが、これだけの巨大企業が取締役会が行われていないのは珍しいパターンです。

取締役会を行うことで、取締役の中で会社経営に関する迅速な意思決定が可能となります。

ビッグモーターは兼重宏行氏と兼重宏一氏の2名のワンマン経営の会社だったので、意思決定の場を設けていなかったということでしょう。

しかし、それでは、副社長の兼重宏一氏のような人間が、非常識で強引な経営を行うことで、コンプライアンス違反が頻繫してしまいます。

新社長のメッセージでは、社外から取締役と監査役を招くような発言があったので、この改革についてはすぐに行われるのではないでしょうか。

取締役会の開催&外部役員を招く

外部から取締役と監査役を招き、重要な決定については取締役会で決議することで、正しい経営判断を行う。

ただし、外部役員が損保ジャパンじゃまったく意味ないよ。

大手コンサルが再建計画を手助け中

ビッグモーターは、資金繰りに苦しでいることもあり、7月から大手コンサルタント会社がビッグモーターの事業再生計画に携わっています。

そのため、今回の和泉社長のメッセージは、コンサルと相談した上での再建計画である可能性が高いでしょう。

大手コンサル会社は、デロイトトーマツグループの「デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社」です。

このコンサルがどんな会社なのか、ビッグモーターが何を行おうとしているのかについては、以下の記事で紹介しています。

今後、改革にあたっての最大の弊害は?

私はビッグモーターの改革の中で、組織風土改革が最も困難だと感じています。

なぜなら、風土とは人そのものだからです。

ビッグモーターは、”やばい”、”つぶれる”というマイナスの検索ワードがネットで飛び交っている状態です。

ビッグモーターの社員全員をすべてを入れ替えることができれば、新たな風土を築くことが出来ますが、そんなことは不可能です。

職場の風土は、長い年月をかけて少しずつ意識改革を行いながら改善していくしかないでしょう。

皆さんの職場の風土は大丈夫でしょうか。。。ビッグモーターと比較してみてくださいね。