処理水放出に韓国が猛反発”する理由とは? 日本と韓国のトリチウム排出量を比較してみた

2011年の福島第一原子力発電所の事故により発生している、高濃度の放射性物質を含んだ「処理水」は、134万トンを超えています。

その「処理水」は、ついに東京電力により2023年8月24日13時から海洋へ放出が開始されました。

この処理水には、放射線物質「トリチウム」が含まれているため、海洋への放出について、国内や海外メディアで様々な意見が飛び交っています。

中国はもちろんですが、韓国でも猛反発の声が上がっています。

韓国でも原子力発電所があり、日本以上のトリチウムの量を海洋放出しているにもかかわらず、なぜ抗議やデモなどが過剰に反応しているのでしょうか。

今回は、以下の内容をお届けします。

ポイント

・処理水を海洋放出することになった理由

・韓国が処理水放出に猛反発する理由

・韓国首相の処理水放出に対する発言

・韓国と日本のトリチウムの放出量の比較

どうして処理水を海洋放出することになったのか?

処理水が保管されているタンク(画像)
福島第一原発の処理水が保管されているタンク

福島第一原発の汚染水の発生量は、約140m3/日(2020年平均)まで低減しています。

日々発生するこの汚染水を浄化処理し、この10年以上で貯まった処理水の量が現在134万トン保管されています。

「処理水」をそのまま海洋放出することが出来なかった理由は、「トリチウム」という放射性物質が含まれているためです。

物理的にタンク増築による貯蓄の限界が迫っていたこと、また改めて安全に海洋放出する準備が整ったため、タンク内の処理水を海水で薄めながら海洋放出を開始しました。

海洋放出をどのように行うか、どこから放出するかなどについては、以下の記事を参考にしてください。

韓国が処理水放出に猛反発する理由

原子力発電所を稼働するとトリチウムはどうしても発生してしまいます。

そのため、原発を保有している国は、トリチウムを海洋放出するなどして処分しています。

韓国も例外ではありません。

国内に4か所の原発をもっていて、トリチウムを含む処理水を放出しています。

後半の見出しで紹介しますが、韓国は日本以上のトリチウムを放出している国です。

それでは、なぜ韓国が日本の処理水放出に猛反発しているのか紹介します。

野党議員や団体が「政権」を非難するために利用

「日本嫌い」「食の安全性が損なわれる」など、様々な反対の理由はあるでしょう。

しかし、一番の理由は、野党寄りのメディアや一部の市民団体による政権批判の材料になっているようです。

つまり、政権与党を批判するためのネタとして、政治的に利用しているということです。

「日本の処理水を放出するのを容認するような与党には、政権は任せられない」と韓国国内にアピールしたいのでしょう。

最大野党「共に民主党」は、7月に議員10人が日本を訪れ、放出反対を訴えました。

これらの野党側の動きに対し、与党「国民の力」は「野党は『放射能テロ』『核排水』などと刺激的な単語を用いて国民を恐怖に陥れている。非科学的な扇動にだまされるべきではない」と強く批判しているそうです。

日本をネタにすると世論をコントロールしやすいんだろうね。

韓国国民の放出に対する反応

それでは、処理水放出に対する韓国国内の反応を紹介します。

海洋放出に対するアンケート結果

韓国で6月29日までの3日間、1000人余りを対象にした世論調査では、「放出による影響が心配」と答えた人が、約8割いるそうです。

野党がデモなどを行い、印象操作しているせいか、処理水の放出への懸念が韓国国内で大きいことが分かります。

韓国のアンケート結果

「とても心配だ」 62%

「ある程度心配だ」 16%

「あまり心配していない」 11%

「全く心配していない」 9%

自分たちの国が放出しているトリチウムの量分かってるんかな・・・。日本より多いんやけど。

韓国学生ら16人逮捕 韓国の日本大使館に侵入企てる

処理水放出デモにより韓国学生ら16人逮捕
韓国学生ら16人逮捕 引用元:朝日新聞デジタル

海洋放出が開始された8月24日、韓国国内で反対のデモが行われ、韓国の大学生ら16人がソウルの日本大使館に侵入しようとした、として建造物侵入などの疑いで現行犯逮捕されました。

大学生らは「汚染水投棄反対大学生遠征団」などのメンバーで、記者会見を開く予定だったそうです。

この団体が、自国の原発のトリチウム処分量を理解したうえでデモを行っているのか、ただの日本嫌い(アンチ)の集まりなのか、活動の目的等を調べましたが詳しくは分かりませんでした。

いつも騒いでるので、いつものことって感じですが。

海洋放出に反対するデモ

8月24日処理水放出を受けて韓国でデモする人々
8月24日処理水放出を受けて韓国でデモする人々

韓国では、処理水を海洋放出する以前からも、相次いで抗議デモが行われています。

特に、放出が開始された24日は、韓国野党や左派系団体主導で韓国各地でデモが行われました。

済州島(チェジュド)の日本総領事館前では、最大野党「共に民主党」など野党6党が「希代の海洋犯罪行為だ」と放出を非難しています。

みんな、韓国の方がトリチウムの処理量多いから勘違いしないでね・・・

韓国首相は処理水放出に容認の発言

韓国の韓悳洙首相
韓国の韓悳洙首相

韓国の韓悳洙(ハン・ドクス)首相は、処理水放出について容認する発言をしています。

24日には、「科学的基準と国際的手続きに従って、処理・放流されるのならば、国民が過度に心配する必要はない」と述べています。

ただ、「今後30年以上続く放流について責任をもって情報公開していくことの望む」、とも表明しています。

この情報公開に関しては、日本国民としても、引き続き東京電力に求めていきたい内容です。

そのため、韓国政府としての対応は、現時点では肯定的ですが、あくまでも『国際基準に合う処理水であれば』という前提です。

水産物の消費量が4割程度減少

釜山市のチャガルチ市場
釜山市のチャガルチ市場

韓国政府は『安全』と説明していますが、風評被害から、韓国・釜山の水産市場は客が4割激減しているようです。

韓国の大型機船底引網水産業協同組合の組合長は「『もう水産業は終わりだ』『死活問題だ』という嘆きの声しかない」と発言。

漁業者だけでなく、販売業者や造船業に至るまで被害は計り知れない模様。

産地を気にする客が増えて、「日本産」と答えると買わない客もいるそうです。

水産業の韓国人男性は「水産物は安全なはずなのに、野党やマスコミが大騒ぎしているせいで客が来なくなった」と風評被害に怒りを感じています。

韓国内でも被害が出てるなら、無駄に騒がないでほしいね。

韓国の原子力発電所の現状

韓国には4ヶ所の原子力発電所があります。

比較的少ないですが、1か所に複数基の原子炉を持っているので、メンテナンス費用や効率を上げることが出来ています。

そのため、日本の約1/3の価格で、韓国は電力供給を実現出来ています。

地理的な位置は、以下の地図を参考にしてください。

韓国の原子力発電所の位置を示す地図

大量の冷却水を確保するために、日本同様、海岸沿いに原子力発電所を作っています。

韓国でも原発事故があったらどんな反応するんだろうね。

韓国の原発は4か所

古里:古里原子力発電所(コリ)

蔚珍:ハヌル原子力発電所(ハヌル)

月城:月城原子力発電所(ウォルソン)

霊光:ハンビッ原子力発電所  

韓国と日本のトリチウムの放出量の比較

韓国の野党などは猛反発していますが、韓国の原子炉発電所から放出されるトリチウムの量はそれほど小さいのでしょうか。

結論からお伝えします。

原発から放出されるトリチウムの年間放出量は韓国が214兆ベクレルで、日本の175兆ベクレルより多いです。

さらに、韓国の古里原子力発電所(5基)が23兆ベクレルに対し、事故前の福島第一原発は1.5兆ベクレルです。

複数の原子炉も持っているとはいえ、日本より韓国の方が排出していることは明らかです。

今後、福島第一原発で1年間に放出する処理水のトリチウムの量は、事故前通常の運転をしていたときに目安とされていた22兆ベクレルを下回る水準が計画されています。

そのため、日本と韓国の国土・人口を考慮しても、韓国からトリチウムの排出量が多いと言われる筋合いに無いことが分かります。

また、以下の資料から世界の原発のトリチウムの年間処分量を参考にすると、フランスのラ・アーグ再処理施設は、11,400兆ベクレルのトリチウムを排出しているので、日本がいかに少ない量なのかが分かります。

世界の主要な原発のトリチウム処分量
引用元:(参考)世界の主要な原発におけるトリチウムの年間処分量

海洋放出したトリチウムによる健康被害はまだ出ていないそうだよ。見つかっていないだけかもしれないけど。

まとめ

今回は、福島第一原発の処理水の排出による韓国の反応をまとめました。

原発事故ということで処理水放出に対して悪いイメージを持たれている方が多いようですが、世界各国も毎年トリチウムは海洋排出して処分しています。

韓国と日本のトリチウム排出量を比較しましたが、韓国の方が多いという事実に怒りを覚えた方もいるのではないでしょうか。

日本は、各国に対して安全性を示すためにも、水質の情報公開しながら信頼してもらえればと思います。