2023年、中古車販売大手のビッグモーター(BIGMOTOR)は、「保険金不正請求」などの数々の不祥事が発覚し、世間を大きく賑わせています。
このまま客足が遠のき、今後倒産するだろうと誰もが予想している状況です。
その中でも、とりわけ毎日のように報道されているのが、ビッグモーターの職場で発生している「パワハラ」についてです。
8月19日のFNNのニュースで、ビッグモーターの元社員が、毎日が「パワハラ祭り」のようだったと、自身の勤めていた職場について証言しています。
元社員いわく、ビッグモーターでは、どんなパワハラが行われているのでしょうか。
またビッグモーターでパワハラが全国的に日常化してしまった原因は何なのか。
今回は、以下の内容をお届けします。
この記事で紹介すること
・ビッグモーター元社員の「毎日パワハラ祭り」の証言の内容
・発覚したビッグモーターのパワハラを紹介
・ビッグモーターでパワハラが日常化した原因
経営陣のガバナンスに問題があったのは間違いないね。

パワハラの定義
パワハラとは何なのかを確認しておきましょう。
パワハラは、「パワーハラスメント」の略で、以下のように位置づけされています。(引用元:労働問題弁護士ガイド)
パワハラの定義
・職場において行われる
・優越的な関係を背景とした言動であって、
・業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
・労働者の就業環境が害される行為
つまり、上司が部下に対して、といったように、「職場で優越的な関係」で起きることがパワハラということですね。
ビッグモーター社員の「毎日パワハラ祭り」の証言内容
FNNの取材に対してビッグモーターの内情を話してくれた元社員のお話を紹介します。
その方によると、ビッグモーターの職場について、以下のように語っています。
「毎日がパワハラだった」「もうパワハラ祭りという感じ。『申し訳ございません』を1日100回以上(LINEで)送るみたいな会社」
引用元:FNN
このように行き過ぎた謝罪は日常茶飯事だったようです。
私なら、謝罪する時間もったいないから仕事させて、って思いそう。というか絶対送らない・・。

謝罪だけでなく、店長が社員に自家用車の買い替えを強制することもあり、「約70万円の自腹も強要された」、と証言しています。
買い替え以外にも、毎月10万円くらいの自腹があったようで、この会社ではやっていけないと感じて退職したようです。
この元社員の証言についての詳しく知りたい方は、以下のリンクから確認してください。
引用元:FNNプライムオンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/d33046e6f39c175bd88e05ef917814a56cc0877b
ビッグモーターで発生したパワハラを紹介
ビッグモーターのパワハラについては、様々な店舗で発生していたことが報道によって明らかにされています。
前社長・兼重宏行氏や、前副社長・兼重宏一氏(チビと噂されている息子)もパワハラしていたことが発覚していて、会社全体で常習化していたようです。
多くのパワハラが今まで世に出なかったのが不思議だよね。

前副社長・兼重宏一氏のパワハラLINE
もっとも世間を騒がせたビッグモーターのパワハラと言えば、前副社長・兼重宏一氏のパワハラです。
社長の息子ということで勘違いしているせいか、性格は悪いと評判です。
学歴上は優秀は反面、ノルマの押し付けや理詰めをする性格で、学歴でマウントをとることもあるそうです。
また、LINEで社員に暴言を吐いたり、降格人事を伝えたりとやりたい放題で、とにかく”やばい”と評判だったようです。
そんな流出したパワハラの証拠として有名なものは、部下に送った「死刑連呼」のLINEです。
法律の専門家によると確実にパワハラだと断定することが出来るそうなので、疑いようがない純度100%のパワハラです。
さらに、別のLINEでも「死刑」を連呼しているので、このような暴言を日常的に使っていることが分かります。
この前副社長がビッグモーターをおかしくした張本人と言われている人物です。
以下の記事で兼重宏一という人物について紹介していますので、興味のある方は覗いてみて下さい。
名刺に落書き&輪ゴムで受話器を頭に固定
2つ目はパワハラは、マスコミの取材を受けた元社員の男性から証言です。
この男性は、ビッグモーターに中途入社し営業職に就きましたが、男性が出社すると、“落書き”された名刺が自身のデスクに置かれていました。
そこには、「木偶の坊(でくのぼう)」「PONKOTU(ポンコツ)」「でいだらぼっち」の文字が書かれています。
あまりに子供じみた落書きなので、社会人がこのようなことを行うのかと目を疑いたくなります。
この男性によると、 「ちょっとでも仕事でミスが起こると、『ぶっ殺すぞ』みたいな感じで…バカ、アホ、怠惰など、毎日いろんなことを言われ続けました」そうです。
さらに、「営業電話が足りない」からと、当時の店長が輪ゴムを使い受話器を顔にくくり付けた写真もあります。
この写真は、複数のLINEグループで拡散されたそうで、パワハラなのはもちろんですが、集団でのいじめといっても過言ではありません。
このように、営業成績が悪かったり、ノルマが達成できなかったりすると、見せしめのようなことが行われていたのでしょう。
ビッグモーターの社員たちが、世間一般の感覚からかけ離れた世界で生きていることがこれだけでも十分分かります。
引用元:「情報ライブ ミヤネ屋」2023年8月2日放送
https://news.yahoo.co.jp/articles/e06fe26e1f90868e27da7c2dd6b9153f56aec70e
パワハラ被害で会社を訴えた元店長
岐阜県内のビッグモーターで店長を務めた男性には、以下の暴言がLINEで送られていたそうです。
<LINEの書き込み>
「タコが!!!!」
「日本語もまともにしゃべれないなら、店長務まりませんが」
「会話すら成立しないなら、店長下りろタコが」
この男性は、パワハラを受けたなどとして会社を裁判で訴えたそうです。
しかし残念がなら、その後、この元店長は事故で亡くなったそうで、ご両親が裁判を引き継いでいるそうです。
元店長の父親は、『「客にサービスを提供する器なんですか、あなた方は」と言いたいですよ。結局は人ですよ。』 と、取材に対してコメントしています。
引用元:FNNプライムオンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/6dd59ca61bb2a9d24cae9a9155dab3cdc0709b84
ビッグモーターにパワハラが日常化した原因
それでは、どうしてビッグモーターでパワハラが日常化してしまったのでしょうか。
ガバナンスの問題や、そもそもの社員の性格の問題など、様々な要因があると思います。
その中でも、私は特に、以下の2つの原因の影響が大きいと考えています。
パワハラの原因
・前副社長・兼重宏一氏の存在
・行き過ぎたノルマに対するストレス
原因その1:前副社長・兼重宏一氏の存在
1つ目の原因は、前社長の息子であり、前副社長・兼重宏一氏の影響が大きいのではと考えています。
上記で紹介したとおり、兼重宏一氏は成果を上げない社員に対して、グループLINEで「死刑」を連呼するほどの人物です。
会社の役員、しかも社長の息子が堂々と暴言やパワハラをしていれば、それを見ている従業員はどう思うでしょうか。
社員によっては、「教育や見せしめのためであれば、相手にどんな言葉を投げかけても良い」「相手を傷つけてストレスのはけ口にしても良い」と勘違いする人も出てくるでしょう。
また、ビッグモーターの経営計画書には、「目標達成に必要な部下の生殺与奪権を与える」と記載されているのもパワハラに拍車をかけていると推測できます。
この兼重宏一氏がポストについてから、ビッグモーターはおかしくなりだしたというのは、報道で言われているとおりです。
人格者でない人物が会社を牛耳っていた場合、このようにモラルの無い会社に成り下がってしまうのは、別の企業を取り扱った過去の報道を見ても明らかです。
原因その2:強烈なノルマ設定による過度なストレス
パワハラは加害者の心が不安定だと、パワハラの引き金になりやすくなります。
加害者側だけでなく、被害者側の精神面も、パワハラのきっかけとなることがあるそうです。
この点において、ビッグモーターの強烈なノルマの設定によるストレスが、パワハラが起こった1つの理由だと考えています。
自分自身の仕事が一杯いっぱいになるだけでも、相手に当たりたくなり攻撃的になってしまう人がいます。
ビッグモーターのパワハラの報道を見ていると、「出来ないなら店長降りろ」といったような発言は、ノルマを意識した言葉に感じます。
まとめ
今回は、ビッグモーターのパワハラの現状と、パワハラが日常化した要因について紹介しました。
ビッグモーターのパワハラは、1人対1人だけでなく、1対複数人でも起きているので、特に悪質です。
パワハラは個人の性格だけに依るものではありません。
会社の雰囲気や制度、役員、給与体系、ストレスなどに影響するところが大きいです。
二度とこんなことが起きないよう、会社の体制を整備していってほしいものです。